海外でのタッチ修行をする時、誰もが悩むのが入国すべきかしないべきか。
本記事では「入国しない」KULタッチの方法をペキコが解説します。
KUL(クアラルンプール)タッチとは?
物価の安さや観光地としても魅力的な都市となっていて、CNNが選ぶ買い物天国ランキングでは4位を獲得しているクアラルンプール。
そのクアラルンプールは、海外発券を駆使すると以下のような弾丸スケジュールが可能となり、週末タッチに最適です。
※ここでは利用者が多いであろう羽田発着に絞って話を進めていきます。
2018.10.27まで
往路(金):NH885 23:30東京(羽田)ー06:00+1クアラルンプール
復路(土):NH886 14:15クアラルンプールー22:15東京(羽田)
これなら首都圏近郊にお務めもしくはお住まいの方は、金曜の仕事終わりに羽田に向かったとしても、十分間に合う親切なスケジュールですね。
もちろん、地方の方も仕事終わりに羽田に向かっても間に合いそうですね。
なお、2018.10.28 〜 2019.3.31は以下のスケジュールに変更されます。
往路(金):NH885 00:05東京(羽田)ー06:45+1クアラルンプール (※金曜日の24:05発。厳密には日付が変わって土曜日発)
復路(土):NH886 14:15クアラルンプールー22:05東京(羽田)
こちらはさらに出発時間が遅くなりますね。
帰りは土曜日の夜に戻って来られ、日曜日はゆっくり休息を取ることができるので、仕事やご家族へのご負担も少ないことでしょう。
海外発券とは?
もうこれは他で説明し尽されているので割愛しますが、日本発着の航空券を、物価の安い国の現地発着の航空券(現地料金)ではさむことです。(現地発着は、日本発着を最初と最後にすれば2往復でも3往復でも可)
例えばこんな感じ。
●羽田‐クアラルンプール(日本発往路)
◆クアラルンプール‐羽田(クアラルンプール発往路)
◆羽田‐クアラルンプール(クアラルンプール発復路)
●クアラルンプール‐羽田(日本発復路)
もうおわかりですね。●は日本発着、◆はクアラルンプール発着の日程です。
なぜこんなことをするのかというと、クアラルンプール往復は、到着したその日に戻るチケットが買えないからですね。到着した翌日からしか買えません。
つまり、金曜日発の航空券の復路は必ず日曜日以降になってしまいます。
クアラルンプールを観光したり、ホテル修行をしたりとお金と時間に余裕がある方ならそれもまたよしですが(日曜の夜戻りなので気合いで月曜日に出勤もできますしね)、効率厨の修行僧にとってはそれは避けたいところ。
そこでおススメなのがこれから説明する方法です。
入国しないKULタッチのメリット・デメリット
メリット
・週末で完結
・海外発券は特に単価がよい(=日本発券と合わせてもコスパがいい)
・入国・出国審査を受けなくていい
・マレーシア航空ゴールデンラウンジ最高(SFC取得前は利用不可。修行中はプレエコ以上で入室可)
デメリット
・最低2往復はしなければならない
・空港でお土産を買うと高い(それでも日本より安い)
・税金やサーチャージが地味に痛い(サーチャージは運不運)
・クアラルンプールまで行って観光もせずに帰ってくる「何やってるんだろ」感がすごい
思いつく限りはこんなところでしょうか。
ちなみに、プレミアムエコノミーの場合のプレミアムポイントは片道5,407ポイントで、一往復で1万ポイント以上を得られます。

日本発券のクアラルンプール往復1回、クアラルンプール発券の日本往復2回(コスパ重視)、日本発券のシドニー往復1回(以上全てプレミアムエコノミー)、沖縄1往復(ANA SUPER VALUE)で、あら不思議。プレミアムポイント5万ポイントを達成できます。やったね!
入国しない方法は?
さて、本題。
クアラルンプール国際空港は日本の空港とは異なり、出発と到着エリアが同じになっています。
日本から到着した便は、その日の午後に同じスポットからそのまま日本に戻ります。
上述のとおり、羽田発着のKULタッチをする場合、到着便に乗って帰ることになります。機材は同じですが、もちろんクルーは別なので恥ずかしい「顔指し*」もありません。
*顔指し・・・顔や身分がバレること。同じクルーと往復を共にする場合、復路で「行きも同じでしたよね。もうお帰りですか」と言われる辱め。これを喜ぶ人も一定数いる。関西の芸人がよく使う。
用例:「昨日新幹線の中でおばはんグループに顔指されて最悪やった」
話は逸れましたが、同じ便で数時間後に帰るのに入国審査を受けて再度出国審査を受けて制限エリアに戻って来るなんて怪しさ満点なことしたくないですよね。
クアラルンプールの出入国は割とあっさりで有名ですが、英語が苦手な方はリスクの芽は摘み取っておきたいですよね。
出来ればそのまま制限エリアにいたいですよね。
ね?ね?
そこでペキコが入国しないKULタッチを実践してきましたので、これから予定されている方にご紹介する次第であります。
クアラルンプール国際空港はモバイル搭乗券が使えます
ここ!ここがSIN(シンガポール)タッチとの最大にして最高の相違点。
ペキコはSINタッチも経験者ですが、SINはモバイル搭乗券が利用できないので、入国しない場合でも乗り継ぎカウンターでの発券が必要になります。
乗り継ぎカウンターにいるスタッフはイミグレでも税関審査官でもないので気負う必要はないのですが、やはり英語が必要な分ハードルが一気に高くなる。
加えてSINの乗り継ぎカウンターはスタッフがいたりいなかったりと安定性に欠け、すぐにラウンジに行くことができず時間を潰す必要があったり。
しょうがないから待合ロビーで時間を潰している時に警察官に「パスポートと搭乗券を見せろ」と言われたり。(実話)
SINタッチを3回してきた、そんなペキコだから断言できます。
時代はKULタッチだ
モバイル搭乗券は、ANAでチケット予約をした際にパスポート情報や座席指定など、必要な手続きを済ませると、搭乗24時間前に自動でオンラインチェックインをしてもらえるサービスです。
オンラインチェックインが完了すると、登録しているメールアドレスに以下のようなメールが届きます。

これがKULタッチにおける印籠です。
これがKULタッチにおける印籠です。
大事なことだから2回言いました。
これでペキコは、ラウンジにも入室できましたし、もちろん搭乗もできました。
例えば一番最初に提示した金曜発、土曜帰りの日程の場合は、土曜日の帰りのモバイル搭乗券は24時間前の金曜日の14時頃に届くのですよ。
もちろんその時間は日本にいるのでメール受信も問題なし。スクリーンショットさえ忘れなければそれでいいのです。
スクショじゃ不安、という方もご安心を。
メールにはさらに注意点が記載されており、搭乗券の画像がうまく表示されていない場合は、オンラインチェックイン画面の「搭乗券発行」により、紙への印刷も可能とのことです。
クアラルンプールの空港でもWi-Fiは繋がりますが、万が一の場合もありますので、国内でネット環境にあるうちに対応されることをおススメします。(最悪、出発前の空港でいいですしね)
海外発券の場合も、搭乗24時間前に同様にモバイル搭乗券がメールで送られてくるので、それを使ってラウンジライフをお楽しみください。
14時に届くはずのメールが15時に届いたのを「ANAさんもたまにはこういう人間らしいところもあるのね。ふふっ」と思っていたら、何のことはない。現地時間で14時の配信で、ANAさんの正確さや信頼度がただただ上がる経験をしたというどうでもいい話。
2019.1.28追記
なんとシンガポールでもモバイル搭乗券が利用できるようになったようです!
そのため、このKULタッチごり押しの本記事の土台が崩れてしまったわけなのですが、ペキコは引き続きKULタッチを押していきます。
なぜなら、微々たる差ですがPPはKULの方が多く獲得できますし、なんといってもラウンジの快適さは比べものになりません。
SINは到着後すぐにラウンジを利用することができるようになり、搭乗3時間前からしかラウンジを利用できないKUL(後述)に比べれば断然利便性に優れています。
いずれにせよ、修行僧にとって選択肢が広がった(=競争が分散される)という点では喜ばしいことではありますね。
なお、モバイル搭乗券の利用方法などは、上記をSINに読みかえていただければ問題ないかと思います。
注意点1 ラウンジ
良いことばかりに見える入国しないKULタッチですが、注意点もいくつかあります。

クアラルンプール国際空港のANA指定ラウンジはマレーシア航空のゴールデンラウンジサテライトです。
マレーシア航空自体はJALと同じワンワールドなのですが、ANA搭乗のスターアライアンスゴールド会員やプレミアムエコノミー以上のパッセンジャー(言ってみたかった)も利用可能です。
先般、リニューアルが行われたばかりでピカピカで広々とした素晴らしいラウンジなのですが、一点入室できる時間に制限があるようなので注意が必要です。
ペキコが入国しないKULタッチをした際、早朝6時にはKULに着き、数時間後の14時までこちらのラウンジで時間を潰そう有意義な時間を過ごそうと意気揚々と入場しようとした時、モバイル搭乗券を見た受付スタッフに「あなたの便は14時ですね?ラウンジは3時間前からしか入れません」と門前払いをくらってしまいました。
『ラウンジに利用時間制限付けるとは何事じゃー!わいは入国しないKULタッチだからいいものの、これが本当に国際線乗り継ぎでここからあんさんとこのマレーシア航空使ってどっか行く人やったらどうすんの?同じ対応すんのかいや?われー』
と思うことも口にすることもせず「OK」と言って引き下がるペキコでした。
ただ、これも想定内で、そのように言われたという方や言われずに入室できたという方もいて、運用ぐだぐだやんと思い、今調べてみたら、公式サイトに以下の記載がありました。てへ
the usage of the lounge is restricted to a maximum of three hours per passenger.
(ラウンジの利用はお一人様あたり最大3時間に制限させていただいております)
プラチナになっていない5万ポイント未満の修行僧の方は、申し訳ありませんが、11時頃まで別の場所でお時間をお過ごしください。(誰?)
これじゃSINタッチで乗り継ぎカウンターが空くのと結局カワラナイヨー(泣)
すでにプラチナでダイヤ修行をしている方は、朝6時からやっているタイ航空のラウンジをご利用ください(だから誰?)

同じくスターアライアンスゴールド会員が入室できるシンガポール航空のシルバークリスラウンジもあるのですが、タイムスケジュールによってオープン時間が異なるようで、ペキコが行った早朝はやってませんでした。

注意点2 搭乗ゲート
これはシンガポールのチャンギ空港でも同じなので、アジアでは普通のことかもしれませんが、この空港はセキュリティが2回あります。
1回目は制限エリアに入る時で、2回目は飛行機に乗る直前、搭乗ゲートです。
そのため、空港内で飲み物を買って飛行機に持ち込むことはできません。搭乗ゲートのセキュリティで没収されてしまいます。
ただし、免税店等で購入したもので、専用の袋に入れてもらえば持ち込みは可能だそうです。
チャンギ空港では水飲み場があったので、マイボトルを持参すれば補充できたのですが、クアラルンプール国際空港では未確認です。
注意点3 日本入国
日本へ戻ってきたらもちろん入国手続きを行いますよね。
ペキコは自動化ゲート登録をしているので、入国審査自体は非対面で終えることができます。
ただし、その後の税関は必ず人です。人間による審査を経なければなりません。
入国しないKULタッチを終えてヘロヘロになって羽田に到着し、税関審査を受けた時、審査官が「む?」って顔をしたんですよねー。
いつもはすぐに終わるところを、パスポートをパラパラと。
結局何も言われずに通過できましたが、場合によっては何か聞かれるかもしれません。
あれ、パスポートをペラペラしてるだけかと思ったら、何か端末を使って、(日本の?)出入国記録を見ているようなんですね。
なので、あまりにも短期出国・入国だと「む?」となるのかもしれません。
でもそれがあの方たちのお仕事なので、もし何か聞かれたとしても、焦らず日本語で説明すればよいのです。
まとめ
国内線のプレミアムクラスは新料金体系により、そこまでうまみがなくなり、プレミアムポイント単価は上昇する一方。
国際線修行の方が効率も単価も良さそうだし、やってみたいけどイミグレはハードル高いし、仕事休めないし、家族の理解が得られそうもないし・・・というあなた!!
あなたにこの記事を捧げます。(最後に書くことか?)
修行も楽しいですが、それよりも飛行機に乗ったりラウンジを利用したりで、ANAをより好きになること請け合いです。
この記事がこれからの修行僧のみなさんの役に立ちますように!
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