日本最速・・・ではないけど『アリー/スター誕生』の感想【ネタバレあり】

▲マレーシアの映画館のバナー

『アリー/スター誕生』をダイヤ修行で行ったクアラルンプールで観てきました。

修行の本筋からはズレるのですが、あまりにも素晴らしい作品だったのでレビューせずにはいられないってことで早速。

まずはネタバレなしでどうぞ。

2019年3月追記
2019年アカデミー賞「歌曲賞」受賞おめでとうございます!!
主演女優賞取れるのではないかと思っていましたので少し残念でしたが、歌曲といえば映画の顔となるもの。
とにかく本当におめでとうございます!!

ご存じのとおり、『ボヘミアン・ラプソディ』に話題をかっさらわれて、本作は見事に話題になりませんでしたが(汗)、それでも良い映画には違いありませんから、まだ見ていない人はぜひ。

『アリー/スター誕生』とは?

監督・主演 ブラッドリー・クーパー × 主演 レディー・ガガ

アリーの夢ーーーそれは歌手になること。

なかなか芽が出ず諦めかけていたある日、世界的シンガーのジャクソンと出会う。

彼女の歌にほれ込んだジャクソンに導かれるように華々しいデビューを飾り、瞬く間にスターダムを駆け上るアリー。

激しく恋に落ちて固い絆で結ばれる2人だったが、アリーとは反対に、全盛期を過ぎたジャクソンの栄光は陰り始めていき…。

ラストステージーージャクソンの愛が、アリーの覚悟が、そして2人のうたが、見るものすべての心を震わす感動のエンタテイメント。

(公式ウェブサイトより)

お恥ずかしい話、この作品は何度もリメイクがされているそうで、今回が3度目のリメイクだとか。初めて予告を観たときは、ガガ様の自伝ムービーかと思ったほど。

ストーリーとしてはうーん・・・正直、よくある話なんですわ。

いわゆるシンデレラストーリー。

売れっ子の男性シンガーが、埋もれてる女性の才能を見出し、二人同じ位置に立ったはいいけど女性がそれを追い越してしまい、二人の間にはすきま風が吹き始めて・・・というような。

でもそれを抜きにしても、二人が歌う歌が見事で、月並みな言葉ですが魂が揺さぶられました。

日本公開はいつ?

日本では12月21日公開です、はい。

世界最遅です。

英語版の公式ウェブサイトによると、配給元があるアメリカでは10月5日公開です。

なぜかアメリカより早いフランス(10月3日)、シンガポール(10月4日)なんていうところもありますが、ほとんどの国が10月中に公開を始めます。

世界中探しても日本だけです、12月に公開するなんて国。

主演 レディー・ガガとは?

言わずと知れた宇宙一のディーバ。(と、私は思っている)

ペキコはガガ様が昔から大好きで、来日公演も行くし、カラオケで振り付きで歌っちゃうし(〃’▽’〃)

彼女の奇抜なファッションやパフォーマンスに注目が集まりがちですが、彼女の魅力はそこじゃないんです。

確かな基礎に裏打ちされた歌唱力なんです!!

ガガと言えばポップな曲のイメージがあるかもしれませんが、アルバムには必ず1曲、ブルージーで泣かせるバラードがあるんですよ。それがとってもイイ。

今回の映画のトラックもほとんど彼女が書き下ろしているそうで、ガガの魅力満載の一本に仕上がっております。

監督・主演 ブラッドリー・クーパーとは?

知りません。

申し訳ないですが、はじめまして。

過去出演作を確認しても、全然知らない。すみません、勉強不足で。

でも歌も上手く、ギター片手にカントリーを歌う姿はかっこよかったなぁ。いい声してました。

ガガとのデュエットでは、二人の声が見事に溶け合い、絡み合い、絶妙なハーモニーを奏でていました。

さて、ここから先はネタバレがありますので、読まれる方はご注意ください。

3分でわかるネタバレあらすじ

最初に断っておきますが、字幕も何も無い状態(厳密にはマレー語と中国語の字幕あり)で観たため、ペキコの英語力ではストーリーの理解は3~4割程度に留まっていると思います。

また、若干懸念しているのが、R18のマレーシアで観たということ。

イスラム国家のため、過激な描写がある映画は審査が入り、上映の可否を決定しているようです。

繋がりがおかしな部分があったため、もしかしたらカットされているシーンがあるのかもしれませんので、雰囲気だけどーぞ。

アメリカの田舎に住むアリー(レディー・ガガ)は歌手を夢見ながらも中々芽が出ず、ショークラブ(ゲイクラブ?)でウエイトレスとして働いている。

ただ、毎週金曜日だけはステージで歌う時間をもらい、パフォーマンスをしている。夢と現実との狭間にいらだつ日々。

「昔はフランク・シナトラみたいだったんだぞ」が口癖の父親のほか、謎のおじさん3人と同居。

一方、大きな会場でも観客を埋められるほど成功しているカントリーミュージシャンのジャック(ジャクソン)は、人知れず悩みを抱えていたーー。

それは耳が聞こえにくくなっていること。アーティストとして致命的なその異変は日に日に悪化していくばかり。

その悩みを打ち明けられるような心を許せる人は周りにおらず、一人抱え込み、それをアルコールやドラッグで昇華させる日々。

ちなみに18歳の息子あり。バツ1?

ジャックが全国ツアーで立ち寄ったのはアリーがいる街。(ジャックの故郷からも近いのかもしれない)

ライブ後、一人で飲める場所を探している時に、アリーが働くショークラブを見つけ入る。客や演者はドラァグクイーンばかりで圧倒されるが、彼女(?)達にとても歓迎される。

ステージではアリーが『La Vie en rose』を歌い始める。その圧倒的な存在感とパフォーマンスにジャックたん釘付け。

自分のステージでぜひ歌ってもらいたいと口説く。

すったもんだがあった末、ジャックのプライベートジェットに乗ってツアー会場に向かうアリー。

最初は、こんな人数の観客の前で歌うのなんて無理!と思っていたアリーだが、「歌え歌え、やんややんや」と周りにもジャックにも煽られ歌い出すと「何この今までに感じたことない感じ」と、歌っている最中に高揚感に包まれ、ジャックと最高のパフォーマンスをする。

そこからはとんとん拍子で、ジャックのツアーにアリーは帯同し、各地で歓声と笑顔に迎えられる。

二人の絆は確実なものとなり、ジャックは友人宅でアリーにプロポーズ。指輪はギターのスチール弦を丸めたもの。

そのまま教会へ行き、友人家族に見守られながら愛を誓う二人。

アリーの才能は着実に認められ、有名なレコード会社(?)のマネージャーが付くようになる。

観客を惹きつけるために、歌だけでなくダンスやダンサーを取り入れるポップシンガー路線に。

それに違和感を感じるジャック。

アリーの成功と反比例するかのように、ジャックの病気や薬物・アルコール依存は進行していく・・・

飛ぶ鳥を落とす勢いのアリーは、ついにグラミー賞を受賞し、名実ともに音楽業界のトップに登りつめる。

しかしそのグラミー賞の授賞式、カッコよくエスコートするはずのジャックは酔っ払って階段でコケ、あげく受賞スピーチをしているアリーの横で失禁する始末。

これにはアリーのダディも激おこ!

いよいよアルコール依存を断ち切るべく入院させられるジャック。

入院中もアリーは忙しい合間を縫って様子を見に来てくれる。ジャックにはそれがとても心苦しい。

しばらくの入院の後、二人の家に戻るジャック。

「あなたのためにヨーロッパツアーをキャンセルしたの。ずっと一緒にいようね。」

これが二人の道を分かつ決定的な言葉となったことを、アリーは後から知ることになる。

身も心もボロボロになり、正常な判断ができなくなったジャックは、アリーが仕事に出かけている間に自宅のガレージで自ら死を選ぶ。

ジャックの死後、アリーは彼のために書いた歌として『I’ll Never Love Again』をステージで絶唱。

こうして二人の物語の幕は閉じる_______

好きなシーン

  • ショークラブでの出会い

日本でいうショーパブみたいなものなんでしょうけど、とてもキレイな?おねえさん?方が出てきます。

スターのジャックの来店に舞い上がり、サインをおねだり。その場所が・・・爆。

ステージを終えたアリーに会うため、楽屋に潜入するジャック。

自眉をテープで隠して上から細眉を書くという芸人ばりのアリーのメイクに興味津々のジャック。

それ自眉?とか、テープなの?剥がしていい?とか。

子どもかっ!

でもこのテープを剥がすシーンは最高にセクシーだったりする。

アリーの才能に最初から惹かれていたジャックは、アリー自身で歌を書いて歌わないのか聞きます。

「しないわ。だってこの鼻のせいでみんなに嫌われるんだもの」と、売れない理由を自分の容姿に転嫁するアリー。

「そんなことないよ。その鼻とってもきれいだよ。触らせて」で、鼻筋を撫でるジャック。なんかエロイっす。

  • スーパーマーケットにて

ジャックに絡んできた輩をぶん殴って手を負傷したアリーの処置するものを探しに二人でスーパーへ。

「これ当てとけ」と冷凍の豆の袋を手に巻いちゃうんだぜ。クールだぜ。

このあと駐車場で、名曲が生まれ落ちるッッッ

  • 二人の時間

ライブ後の打ち上げでヘベレケになるまで飲んだジャックたん。

アリーに抱えられて自分のホテルの部屋へ。二人きりになった途端、始まることはもちろん・・・

しかし泥酔状態のジャックはそのままベッドへ向かい爆睡。

「このやり場のない気持ちどうすんのん?」とばかりにベッド脇でしょんぼりするアリーが愛おしい。

  • 結婚式

指輪がスチール弦なのは笑っちゃった(僕は死にましぇん!)けど。

突然の結婚式のため、新婦アリーは普通の白いワンピースに紫の花を髪に付けただけの、限りなくシンプルで息を飲むほど美しい姿。

二人の幸せのピークだったのかもしれない。

  • おっさんず

アリーの家にはダディのほかに3人ぐらいおじさんがいる。英語が聞き取れなかったので、一人が運転手ってこと以外わからなかった。←日本語でも見たけど結局わからなかった。

叔父さん?伯父さん?

それとも『glee』のレイチェルみたいにゲイカップルの子とか?

  • おっさん

ジャックの周りをうろちょろする白髪の細面のおじさん。最後まで関係性がわからなかった。(ジャックの異母兄情報あり)←異母兄でジャックの尊敬対象でした。

途中、ジャックにぶん殴られてたけど、ペキコには理由がわからないので、現時点ではおじさんただの殴られ損。←勝手に父親のお墓があった土地を売ってしまったことが原因。

  • 二人のケンカ

アリーの方向性について?二人がケンカを始めます。アリーが入浴中に。

ここも名シーン。二人ともマシンガン並みにf*ckのジャブを繰り出します。

1分間に最も多くfワードが出てきた映画のギネスとかなかったかなーと思って調べたけど、残念、映画全体のものしかないのね。

完全にペキコの勘違い。fワードではなく、freakingでございました。
ここに丁重にお詫びし、ペキコのリスニング力の無さをさらけ出します。

  • わんこ

結婚後、二人は犬を飼い始め、チャーリーと名付けます。最初は子犬だったのが、二人が過ごす時間と共に大きくなっていきます。もふもふでかわいい。

しばらく後、完全に成犬になったチャーリーをジャックが抱える姿はほっこり必至。持ち方変じゃない?笑

残念なシーン

・ポップアーティスト・アリー

ジャックと歌っている時は、自然体で飾り気のない姿で歌ってきたアリーですが、一人で売り出そうとソロになってからは、売れるための戦略のせいで、万人受けするような歌とダンスとメイクを取り入れていきます。

それはもう、どいひー。なぜオレンジ髪?

例えはアレかもしれませんが、JLOやらビヨンセかと思いました。

しかしこの映画を観るまで、ガガがこんなにパーツの大きな顔の持ち主だったってことに気づかなかったよー。

もしかしたら本人もコンプレックスに思っているかもしれませんね。いくら他人に褒められたところで、嫌なものは嫌なのですから。

  • なぜ死ぬ?

ほんっと、これだけは理解不能。いや、映画だってわかってるんですよ?それでも納得いかない。

ジャックの心理は、

自分がいることでアリーの邪魔になる→アリーを幸せにできない→アリーを不幸にする

こう想像することはたやすいですけど、ね。

自分のしたことが一番アリーや周りを傷つけるってこと、わかるでしょ!このバカもの!

(多分)ジャックは、最後までアリーには持病のことを言っていない。

これは、自分の悩みを打ち明けられなかったジャックの弱さのせいでもあるし、それを知ろうと気遣えなかったアリーの責任でもあると思う。

そこだけ一人納得がいかず、もんもんとしながら映画館を出たのでした。

つまり何が言いたいかっていうと

映画館へ行きなさいってこと。あなたこれ観ないと年越せないわよっ(おすぎ?)

これまでで上映されたプレミアや映画祭では大絶賛されており、オスカーの最有力候補とも言われています。

ミュージカル映画と違って、セリフが歌ではないので、ミュージカル映画が苦手な人でも大丈夫だと思います。

ぜひこの冬は共に極上の歌声に酔いしれましょう!!

それにしても今年は『グレイテスト・ショーマン』や『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー』そして『ボヘミアン・ラプソディ』といい、音楽映画の当たり年だわん( *´艸`)

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